考え中。

現在は、椋崎という名前で活動中。

Viva la Villain

Viva la Villain 最終話

業都を襲った恐ろしいテロから17年。 事件の主犯としての役目を被った二宮 宏介は、遂に終身刑となり、その生涯を終えた。 老人ホームにて、アルツハイマーとなり、言葉もろくに交わせなくなった自身の義父――張戸 淳一と食事をともにしながら、大学生の張戸 …

Viva la Villain 第十一話

成瀬 和樹の殉職後、駆け付けた警官に囲まれた岬 和成は伊勢 美波を囮に逃亡。 数時間後、近くの藪で首を切られた状態で、伊勢の死体が発見された。 結局、ピエロ教と演員会の抗争は警察の介入により収まったが、多くの犠牲者を出した。 このまま当選パレー…

Viva la Villain 第十話

彼らの秘密基地は、コースケの家にある、車庫の中に立てられた。 父の趣味が登山であった為、キャンプ用品は充実しており、その中でいらなくなったものを掻っ払って作られた、小さくて大きなテントの中。 わざと薄暗くして、小さなランプに火を点け、会議は…

Viva la Villain 第九話

早速、怪しい書き込みにコンタクトを送り、連絡を交換した伊勢。 一週間後、最寄りのレストランで落ち合う事になる。 やってきた青年は、いかにも真面目そうという面持ちの男で、おそらく大学生ぐらいの年齢。 清潔感のある容姿に、地味な服装の彼に拍子抜け…

Viva la Villain 第八話

宏介が華飛に連れられ向かった先は、港にある小さな倉庫であった。 そこには、小さなストーブと、安く売ってる様な電化製品が一式に、防弾チョッキから非常食と思われる菓子パンに缶詰。さらには、マシンガンや手榴弾といった物騒なものまで揃っていた。「し…

Viva la Villain 第七話

宏介の実家に訪れた成瀬は、そこにスマートフォンを構えた、やけに派手な服装の少女がいるのを見付けた。「もしもーし! あのー、もしもーし!」と、少女は家のドアを何度も叩きながら、叫んでいる。「ちょっと君、何やってるんだ」と、成瀬が声を掛けた。「…

Viva la Villain 第六話

それは、古い過去の話であり、悪夢。 オカルトやら噂を信じて、真夜中の公園へと向かった少年達が見たのは、見てはいけないものだった。 治らない腫瘍の様に、大人になっても彼らを蝕み続ける――それは、ひとつの象徴となって、心の深い所に根付いた。 例えば…

Viva la Villain 第五話

本庁に戻った張戸は、連続殺人犯を追うにあたり、マフィア組織――演員会の調査が必要と考え、己のデスクで資料を漁っていた。 一番、最初に業都に現れた、詳細不明のピエロ。巷を騒がす犯罪のシンボルの、その起源が何なのか、頭を悩ませていた。 それにあた…

Viva la Villain 第四話

大通りの公園で見つかった射殺死体と、ピエロの覆面をした男の目撃証言に、世間はどよめいた。 また、現場を見たとされる女性の「助けられた」という証言と、それ以外は頑なに漏らさない姿勢も、自称・専門家達がとやかく言う要素となった。 つまり、業都の…

Viva la Villain 第三話

封鎖された河川敷で、警官が数人、現場検証をしている。 そこに、遅れた暦年の面持ちの男が入ってくる。「張戸警部補、お疲れ様です!」と、気付いた警官たちが順繰りに挨拶を行う。 張戸と呼ばれた警部補の男は、一礼だけして返すと、状況確認をはじめた。…

Viva la Villain 第ニ話

業都の市長選挙がはじまった。 それにより、街のあちこちで街宣車が走り、演説が行われる。 もともと、騒がしい地域であったが、一層、喧しくなってしまった。「街に溢れるホームレス! ギャング! 捨てられたゴミや汚い川の水! この街は汚れに満ちています…

Viva la Villain 第一話

日本の業都という地域にある、小さな街。 その年の六月はやけに熱かった。 発売されたばかりの人気APGの最新作を見に、クラスで一番に手に入れたコースケの家に、いつもの友達三人組で集まっていた。 三人は皆、八歳の小学三年生で、とても仲良しであった。 …